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Blog:製品ライフサイクル管理 ― OEMパートナーの選定を検討すべき理由とは ―

Product lifecycle management: why you should consider selecting an OEM partner

Blog:製品ライフサイクル管理 ― OEMパートナーの選定を検討すべき理由とは ―

医療機器/診断機器の開発においては、機器のライフサイクルを考慮し、設計・開発だけでなく、カスタマーサポートについても並行して計画を進める必要があります。製品の収益性を可能な限り長く維持し、顧客ロイヤルティを保つためには、初期段階からその進化を計画することが不可欠です。製品ライフサイクル管理(LCM; product Lifecycle Management)の初期段階からOEMパートナーに相談することで、保守性が向上し、総所有コスト(TCO; Total Cost of Ownership)が低減され、長期的なリスクを低く抑えた製品の開発が可能となります。

市場の成長、製品の進化、コスト管理の計画に加え、OEMパートナーを早期段階から製品ライフサイクル管理計画に参画させることにより、規制コンプライアンスをより効果的に管理することも可能となります。これは特に欧州で進行中の抜本的な変化への対応に関して重要です。体外診断用医療機器に関する新たな規制枠組み(体外診断用医療機器規制)により、製造業者には多くの追加業務が生じています。米国でもFDAが品質管理システム規制のもとで医療機器の品質・安全性・有効性の向上に向けた取り組みを進めており、米国と世界の医療機器規制の調和を目指しています。変化する規制環境において、製品がライフサイクル全体を通じてコンプライアンスを維持するためには、開発プロセスの早い段階からOEMパートナーを関与させることが不可欠です。

製品ライフサイクル管理(LCM)の段階

製品のライフサイクル全体(構想段階から設計、製造、流通、サービス段階に至るまで)を計画することで、総所有コスト(TCO)の削減と顧客ロイヤルティの向上が実現できます。製品のライフサイクルにおける各段階において考慮すべき要素には以下のような項目があります。

発売前

新製品の開発は、まずアイデアから始まります。このイノベーションの段階に続き、通常は市場の可能性や製品が市場のニーズにどう応えられるかを分析します。次のステップは設計と開発であり、初期のコンセプトはプロトタイプへと展開されます。さらに実際の製造開始までに、要件定義、コンセプト作成、テストや検証など、多くの活動を行う必要があります。この段階では、製品開発や規制順守から人的資源やサプライチェーンに至るまで、考慮すべき複雑な要素が数多く存在します。OEMパートナーはこうした課題の解決に協力することで価値を提供します。

発売

その後、製品は製造され、市場に投入されます。この段階では、正確な需要予測と予算策定が求められます。また、需要に応じて製造規模を拡大する能力も必要です。

市場において

この時点で製品はエンドユーザーの手元にあります。潜在的な不具合、保守頻度、ユーザー体験に関するデータを収集し、OEMパートナーと協力することで、あらゆる問題に迅速に対処し、今後の開発計画を立てることが可能となります。

段階的廃止

製品が成熟期に達すると、その廃止、リサイクル、または廃棄に関する計画が検討されます。製品の寿命終了(EOL;End of Life)は、ユーザーが製品を必要としなくなった時点、または新技術のリリースにより製品の需要が低下した時点で始まります。この段階では、OEMパートナーが後継製品への移行を支援します。後継製品には、エンドユーザーのニーズに応え続けるコンポーネントが組み込まれている場合や、市場からのフィードバックに基づく調整が反映されている場合があります。

製品ライフサイクル管理(LCM)パートナー選びのポイント

LCM計画の策定を支援する適切なOEMパートナーはどのように見つけられるでしょうか。医療機器開発・製造のパートナー選定にあたっては、LCMにおいて考慮すべき重要な要素を明確にすることが大切です。

LCMへの包括的なアプローチ

製品ライフサイクル全体を考慮できるOEMパートナーを見つけることが重要です。単一の部品や工程のみに焦点を当てるのではなく、製品が成長期にある間はサポート体制を維持し、ライフサイクルの終盤に近づいた際には段階的な廃止アプローチを実施するお手伝いができるOEMパートナーが求められます。

規制コンプライアンスに関する知識

適切なOEMパートナーは規制に関する専門知識を有し、製品のコンプライアンスに影響を及ぼす可能性のある法令や規制の変更について、常に最新情報を提供します。さらに、信頼できるパートナーは、収益への影響を最小限に抑えながら、変化に迅速に対応する計画を積極的に提案します。 

安全基準への適合

OEMパートナーは、安全で信頼性が高く、一貫性と再現性を備えた結果を提供できるコンポーネントとプロトコールを提供できることが重要です。OEMパートナーのコンポーネントや文書が、製品の安全性や法令遵守状況を危険にさらすことがないよう注意が必要です。

リスク軽減

リスクは発生前に軽減することが重要です。事前に計画を立て、潜在的な懸念事項について常に情報を提供し続ける開発アプローチが求められます。適切なOEMパートナーは、コミュニケーション、文書化、データ管理に対する徹底したアプローチを持ち、リスクを最小限に抑えます。

製品開発

製品は、リリースから市場投入、そして段階的廃止に至るまでのライフサイクルを通じて、ユーザーのニーズに応え続けるよう計画されるべきです。製品の更新や修正が必要となる場面も必ず発生します。そのため、OEMパートナーは、これらの段階に向けた計画立案を支援する専門知識とサポートを提供できる必要があります。

将来を見据えた計画立案

当面の仕様対応にとどまらず、OEMパートナーには製品開発の次なる段階に向けた先見的なアプローチが求められます。市場の変化や技術の進歩、採用可能性に関する戦略的な洞察とガイダンスに関してOEMパートナーから提供を受けることで、自社の要望や規制変更に先んじた製品ロードマップを策定する基盤が整います。

市場や政策の変化に迅速に対応

市場や政策に変化が生じた際、OEMパートナーは迅速に製品調整を実施できるよう、常にサポートする必要があります。

エンドユーザーのニーズを考慮

LCMに関して、OEMパートナーは、市場におけるブランド評価の重要性を理解している必要があります。製品ライフサイクル全体を通じて追加・変更・削除されるあらゆる構成要素が、市場における製品のイメージを支えることが極めて重要です。設置された機器は、EOL直前や廃止・廃棄に関しても、その寿命期間を通じて部品供給と保守サポートを必要とします。

事業計画の実現を支援

適切なOEMパートナーはLCMを通じて長期的な事業成長の実現を支援する存在です。新たな市場や製品領域を特定するサポートをし、既存製品の改良や改造による追加市場への展開など、これまで想定していなかった新たな方向性への事業展開を可能にします。

製品の設計、開発、製造、そして時間の経過に伴う更新プロセスを俯瞰すると、LCMプロセスにはOEMパートナーとの緊密な連携が不可欠であることが明らかです。初期段階から適切なパートナーを参画させることが、製品ライフサイクル全体における成功への第一歩となります。 

ご相談ください

Tecanは製品開発の複雑な側面を理解し、将来のトレンドを予測することで、パートナー企業の投資に対する最適なリターンを確保します。製品ライフサイクル管理(LCM)の成功に関するサポートの詳細などについては、ぜひご相談ください。

著者について
David Keller
Tecanにおいてカスタマープロダクトマネジメント責任者を務め、OEMパートナーとの日常的な連携を管理する国際的な専門家チームを統率しています。チームと共に、製品ライフサイクル全体にわたる包括的な管理支援を提供し、コンプライアンスの遵守と高水準の顧客満足度を実現しています。Davidは医療技術分野において20年以上の経験を有し、その専門知識は商業運営、顧客関係、サービス管理、製品管理に及びます。

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