技術資料・マニュアル/ Document

Blog:自動化機器を市場に迅速に投入するための秘密兵器

ラピッドプロトタイピング

Blog:自動化機器を市場に迅速に投入するための秘密兵器

プロトタイピングはなぜ必要なのでしょうか?

プロトタイピングは、あらゆる製品の開発において不可欠なプロセスです。製品リリース前に動作するモデルを作成することで、実現性の評価、重要な機能や新機能のテスト、ツールのワークフローの動作確認が可能になります。動作するプロトタイプを持つことで、次回の設計/イテレーションにおける改善点や最適化の機会を早期に発見できます。しかし、プロトタイピングの目的はそれだけではありません。完全に動作するモデルを組み立てることで、自動化環境下においてアプリケーションがどのように機能するかを検証でき、将来的な開発段階で貴重な時間を節約することにもなります。

プロトタイピングにかかる時間を短縮する方法として、各種法規制に対応した様々なコンポーネントを取り揃えているOEMプロバイダーとの協業があります。それらのコンポーネントは既に検証が完了しているため、テスト時間の短縮、リソースの最適化が可能となり、プロジェクトの初期段階でリスクを低減できます。その結果、開発コストが削減され、市場投入までの時間が短縮できます。Tecanでは、各種法規制に対応したさまざまなコンポーネントをご用意しています。

プロトタイプは、チーム事体の経験が浅く、予期せぬ問題が発生しやすいプロジェクトの初期段階で開発されることが一般的です。早期にプロトタイプを構築する目的は、チームの経験値を上げ、制御された環境下で問題を露呈させることです。とはいえ、プロトタイピングにおける問題は、プロジェクトの初期段階で遅延を引き起こし、その後にも重大な影響を及ぼすことがあります。そこで、可能であれば、ソフトウェア開発と同様に、ハードウェア開発にもアジャイル原則を適用することをお勧めします。アジャイル原則とは、ソフトウェア開発における基本的な考え方で、迅速で効率的なプロトタイピング戦略による「早期に問題を発見する」アプローチです。

迅速なプロトタイピングにより、機器開発のペースを加速することができます。高速試作により、短期間のうちにプロトタイプの反復製作が可能になり、段階的に改善することが可能です。その結果、市場投入が早まるだけでなく、プロトタイプが徹底的にテストされることにより機器自体が大幅に改善されます。

試作品を作るとき、ハードウェアだけでなくソフトウェアももっと検証されるべきであるにもかかわらず、あまりされていないのが実情です。一般的なソフトウェア開発キット(SDK)には、開発期間を短縮するためのツールが含まれますので、活用をおすすめします。SDKの一例として、Tecanでのプロトタイプ開発の際に使用されているMAPlinx DK1は3Dシミュレーターを実装し、仮想環境内でアプリケーション環境のデジタル化を可能にします。これにより、最初のハードウェアコンポーネントが利用可能になる前に、ソフトウェア開発とハードウェア設計を開始できます。ワークテーブルエディターは、自動化液体処理機器のワークデッキレイアウト設定と設計を迅速かつ容易にします。MAPlinxは仮想環境での作業を可能にするため、開発者がこれらのコンポーネントを自ら開発・テストする時間と労力を軽減します。

迅速なプロトタイピングによる製品の急速な進化は、開発が速くなるだけでなく、市場に投入する際の最終製品への信頼性も高めます。プロトタイプが構築、テスト、改善のサイクルを複数回経ているため、製品である自動液体ハンドリング機器の品質が高まります。

自動化された実験室機器の開発を検討中ですか?

DIYで進めるか、OEMパートナーと提携するかー どちらが最適でしょうか?

迅速なプロトタイピングの秘訣の一つは、自動化機器のあらゆる側面を一から開発するという「Reinventing the wheel(車輪の再発明)2」を避け、可能な限り既成のコンポーネントを活用することです。迅速なプロトタイピングとは、既に成し遂げられた作業に時間を浪費しないことを意味します。そのため、開発チームの経験が浅い場合、業界で実績のあるOEMパートナーを見つけることが不可欠です。よいパートナーに求められる条件として、必要な多くのコンポーネントを開発済みであることが挙げられます。これにより、開発者はコンポーネントの開発やテストに時間を費やす必要がなくなります。代わりに、自動化ワークフローへの最適化や、製品の独自性を高めること、そして、ターゲット市場により適合させるための開発に時間を割くことができます。

車輪の再発明を避ける」ためのCavro® Magni Flex

TecanのOEM開発プラットフォームTecan Cavro Magni Flex3は、「車輪の再発明を避ける」の好例です。これは、OEM開発向けに特別に設計された柔軟な液体ハンドリング技術ロボットです。液体ハンドリングはゲノミクス機器の重要な機能であるため、検証済みのコンポーネントを備えた柔軟なプラットフォームを使用することは、ラボ向けソリューションを迅速に開発するために極めて効率的な方法です。Cavro Magni Flexの特徴として、Air Restriction Pipettor (ARP)技術(ARP Technology™)が挙げられます。これはゲノミクス機器メーカーにとって歓迎すべき機能です。ARP技術は、小容量の液体の正確な制御を可能にするだけでなく、ゲノムサンプルの交差汚染リスクを低減するために重要な使い捨てチップの使用を可能にします。

迅速なプロトタイピングと市場投入において、OEMパートナーとの連携は競争優位性となります。Tecan コンポーネントがプロトタイピングをいかに加速させるかについてご興味をお持ちでしたら、こちらまでお問合わせください。

*1 TecanでのOEM開発の際に使われるもので、単体でのご提供はしておりません。
*2 Reinventing the wheel(車輪の再発明):確立されている技術やソリューションを再び一から作ること。
*3 TecanでのOEM開発において使われるプラットフォームであり、単体でのご提供はしておりません。

著者について

Claudio Bui

Tecanコンポーネントマーケティングチームのパートナーリングビジネス部門で、製品コンセプトの責任者を務める。 顧客の特定の要件を徹底的に分析し、それに基づいて新しいコンセプトや提案を開発することが、同チームの主な役割。 1990年に研究開発部門でコンポーネント開発を担当するテクニカルスタッフとして入社し、多数の小型ラボ用機器の開発に携わる。 2005年にマーケティングチームに参加。

>>>印刷用PDFは下のボタンから(自動的にPDFが開きます)